【感想】映画『ふつうの子ども』子どもの「やりっぱなし感」は、なぜ大人を癒すのか

(C)2025「ふつうの子ども」製作委員会/画像引用元：映画.com『ふつうの子ども』フォトギャラリーより

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こんにちは、はな（@hanahackpq）です。

この記事では、2025年9月5日公開の映画『ふつうの子ども』の感想をご紹介します。

映画『ふつうの子ども』、私にとっての2025年ベスト映画でした。

話題になっているのは知っていたのですが、ポスタービジュアルから「自分の好みじゃないかも」と配信まで待ってしまいました。

今さらですが、こんなよいのなら、映画館で観ればよかった…！！！！

とはいえ、公開から3ヶ月で早くも配信に来てくれて大感謝です。

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配信情報は2025年12月31日現在の情報です

映画『ふつうの子ども』作品情報

上田唯士（ゆいし）、10才、小学4年生。両親と三人家族、おなかが空いたらごはんを食べる、いたってふつうの男の子。最近、同じクラスの三宅心愛（ここあ）が気になっている。環境問題に高い意識を持ち、大人にも臆せず声を挙げる彼女に近づこうと頑張るが、心愛はクラスのちょっぴり問題児、橋本陽斗（はると）に惹かれている様子。そんな三人が始めた“環境活動“は、思わぬ方向に転がり出して――。

映画『ふつうの子ども』公式HPより

映画『ふつうの子ども』で主演を務めるのは、嶋田鉄太。

今作が初主演作品ということですが、演技が自然で、表情から感情が伝わってくる、すごく素敵な役者さんだと感じました。

というか、今作の子役は全員演技が自然でした。

カメラの前であんなに自然に演技ができる子どもたちもすごいですし、制作陣もこんな自然な子どもの姿をどうやって撮ったんだろう…と驚きます。

そして、先生や親といった大人役を演じる役者も、蒼井優、風間俊介、瀧内公美と豪華です！！

特に、瀧内公美の演技が最高で、一気にファンになってしまいました。

感想｜子どもの「やりっぱなし感」は、なぜ大人を癒すのか

それでは、映画『ふつうの子ども』を観て、私が感じたことを書いていこうと思います。

呉美保監督は、自身の子育ての中で感じた子どもたちが毎日を精一杯生きる姿、あるいは「やりっぱなし感」を映画の中で描いたといいます。（参考：あしたメディア「『ふつうの子ども』呉美保監督インタビュー 未完成な親と未完成な子どもが織りなす人間讃歌」）

「やりっぱなし感」って言葉、すごくしっくりきました。

現実の子どももそうですし、『ふつうの子ども』に出てくる子どもたちも、行動に一貫性はなく、その時その時の感情に動かされていきます。

唯士は、好きな女の子が環境問題に関心があることを知って、急に環境問題の勉強をはじめたり、お肉を食べないと言ったけど、春巻きに入っているお肉は「まあいっか」みたいな感じで食べちゃったり。

心愛は、環境問題に強く関心を持っていますが、その理由やきっかけは描かれません。

おそらく、心愛は母親との関係や圧力に悩み、大人への不満を表現する手段として「環境問題」に傾倒しているように見えました。

だからこそ、陽斗に「行動しよう！」と煽られた結果、何の解決策にもならないような、過激でテロリストのような行動に走ってしまったのだと思います。

陽斗は、環境問題に全く興味がないのに、何かいたずらがしたいがゆえに環境問題にかこつけて唯士と心愛を急き立てたり。

子どもって、興味を持ったら、好きになったら、即行動なんですね。

だからこそ子どもの行動は大人から見ると、一貫性がなく支離滅裂にすら映ります。

だけど、その行動力と精一杯さこそが美しさなのだと感じました。

大人になると、私たちは生き方や考え方、行動の全てに「一貫性」が求められ、一貫性がない人は「何がしたいのか分からない」「一つのことを継続できない」「手段が目的化している」など、まるで未熟であるかのように扱われます。

だけど、大人も大人で、初めて大人をやっているわけです。

そんな中で「一貫性」を持ち、正しくあり続けるなんて、すごく難しいことです。

もちろん、大人になるまで私たちはいろんな経験をして、いろんな正しさに触れているわけで、ある程度分別を持って行動をするべきです。

だけど大人であっても、「正しさ」や「一貫性」に囚われず、たとえ「やりっぱなし」でも、今を精一杯に生きることは美しく、素敵なことだと感じます。

大人になったのだから、「正しい大人」であろうとは思わなくていいんです。

やりっぱなしであっても、一貫性がなくても、すべて含めて自分なのだと、自分の人生なのだと思っていいんですよね。

まとめ

この記事では、映画『ふつうの子ども』の感想をご紹介しました！

2025年の最後に、こんな素敵な映画に出会えてよかったです。

今年も大変お世話になりました！

2026年も素敵な映画にたくさん出会えますように。

来年もどうぞよろしくお願いします。

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