【ネタバレ感想】映画『陪審員2番』正義とは何か。真実は正義か?

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こんにちは、はな(@hanahackpq)です。

クリント・イーストウッド監督の最新作『陪審員2番』が、2024年12月20日よりU-NEXTで配信開始となりました!

クリント・イーストウッド監督といえば『ミリオンダラー・ベイビー』(2004)、『硫黄島からの手紙』(2006)、『アメリカン・スナイパー』(2014)など、数多くの名作を手がける巨匠ですが、現在なんと94歳だそうです。

しかし今作も、老いなど全く感じさせない鋭い切れ味の作品で、すごく面白かったです。

この記事では、映画『陪審員2番』の感想をネタバレありでご紹介します!

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映画『陪審員2番』作品情報

ジャスティン・ケンプは雨の夜に車を運転中、何かをひいてしまうが、車から出て確認しても周囲には何もなかった。その後、ジャスティンは、恋人を殺害した容疑で殺人罪に問われた男の裁判で陪審員を務めることになる。しかし、やがて思いがけないかたちで彼自身が事件の当事者となり、被告を有罪にするか釈放するか、深刻なジレンマに陥ることになる。

引用元:映画.com『陪審員2番』
公開日2024年12月20日 U-NEXT独占配信開始
上映時間114分
監督クリント・イーストウッド
出演ニコラス・ホルト、トニ・コレット、J・K・シモンズほか

映画『陪審員2番』は、Max(ワーナー・ブラザース・ディスカバリーが所有・運営するアメリカ合衆国の定額制ビデオ・オン・デマンド・ストリーミングサービス)でのストリーミング配信を前提として制作された作品です。

配信を目的にしていたため、アメリカでは50未満の一部の映画館での限定公開となり、海外でもイギリスなど7ヶ国でしか劇場公開されませんでした。

はな

残念ながら、日本でも劇場公開はありませんでした…。とはいえ、配信で観れたことに感謝です!U-NEXTありがとう…

しかし、今作はナショナル・ボード・オブ・レビュー(米国映画批評会議)が毎年発表する「今年の映画トップ10」(2024年)にも選ばれており、映画業界で高く評価されています。

出演している俳優も、ニコラス・ホルト、トニ・コレット、J・K・シモンズと、ものすごく豪華ですよね。

それでは、映画『陪審員2番』について私の感想をご紹介していきます!

感想|正義とは何か。真実は正義か?

真実と正義と、主人公の葛藤

映画『陪審員2番』は、使い古された表現ですが、どうしても「正義とは何か」について考えさせられる作品でした。

改めて、今作の物語を振り返りましょう。

主人公ジャスティンは、妻アリソンの出産予定日が近づいている中、カップルの喧嘩の末の殺人事件の陪審員に選ばれます。

陪審員として事件を知るうちに、自分が事件の当日に事件現場にいたこと、その日何かを車ではねたこと、はねたのは鹿だろうと思って現場を離れたことを思い出します。

そんな事件の状況のすべてが「自分が被害者をはねて殺した」という真実に結びついていったのです。

こんな状況に陥った時、人はどう行動するのでしょうか。

極めて善良な人間であれば、罰を覚悟のうえで「事件の犯人は自分だ」と名乗り出るかもしれませんし、そうでなければ「事件の犯人は、被害者の恋人の男で間違いない」と有罪に票を投じるかもしれません。

そしてジャスティンはというと、矛盾しているような、だけれども最も人間的な行動をとります。

他の11人の陪審員が被告人を有罪だと投票した際に、ジャスティンだけは無罪の可能性を主張したのです。

ここがこの作品の最も面白いところです。

単に自分の罪が暴かれることを逃れたいのであれば、ジャスティンも被告人を有罪とすればよかったのですが、彼の中には正義の心があり「犯人ではない被告人が、犯人として罰を受けるのは正しくない」と思っています。

しかし、それと同時に「自分が事故を起こしたのだと名乗り出て、重い罰を受けるのは嫌だ」とも思っているのです。

ジャスティンが無罪の可能性を主張したことにより、陪審員の中で何度か話し合い、時には事件の真相に近付くような捜査が行われました。

そして陪審員と検事が「被害者の恋人の男は、犯人ではないのではないか」と気付き始めることになるのですが「では本当の犯人は?ひき逃げの可能性が高いのでは?」と、少しずつ裁きの手が真実に近づいていることに、ジャスティンは怯えます。

その時、ジャスティンは陪審員の1人に「被告人は麻薬密売組織にいた悪い人間だ。この事件の真実なんてどちらでも良い。被告人が悪人であることには違いがないのだから、この事件は有罪とすればよいのだ」と告げられます。

そして、ジャスティンはその意見に乗る形で有罪に票を投じ、最終的に被告人は有罪となりました。

ラストシーンの意味は?

今作は、フェイス・ケルブルー検事とジャスティンが対峙する形でラストを迎えます。

最後にフェイス検事は、真実に基づき裁きを下すことを覚悟したのだと思います。

ジャスティンがその前のシーンでフェイス検事と話していたように、たしかに、必ずしも真実が正義だとは限りません。

事件の日、ジャスティンはまさかこんな雨の日に、狭く暗い道を女性が一人で歩いているなんて思いもしませんでした。

そして何かをはねたと思って車から出た際に「鹿注意」の看板を見て何の違和感もなく、「自分は鹿をはねたのだ」と信じていたのです。

結果的に事件になっていますが、ジャスティンは悪いことはしていません。

しかし、人それぞれに正義があるこの世界では、暫定的に真実を正義とすることが必要なこともあるのでしょう。

それが残酷なことだとしても、です。

まとめ|目や表情から、登場人物の思考や葛藤をにじませる

この記事では、映画『陪審員2番』の感想をネタバレありでご紹介しました!

私としては、クリント・イーストウッド監督作品の中でも、今作はすごく観やすい作品だと感じました。

そして、多くを語らず目や表情から、登場人物の思考や葛藤をにじませる演出がさすがでした。

本当に面白かったです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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