【感想】映画『小学校~それは小さな社会~』そうだ私たちは、このようにして“日本人”になったのだ

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こんにちは、はな(@hanahackpq)です。

みなさんは、海外から見て「日本人」はどのようなイメージがあると思いますか?

「責任感がある」「真面目」「個よりも集団を重んじる」というところでしょうか。

そして、それらは単なるイメージではなく、私たちは確かにそれらの価値観の下で“日本人”として教育されてきました。

2024年12月13日公開の映画『小学校~それは小さな社会~』は、私たちを“日本人”にする場としての日本の学校文化に光をあてたドキュメンタリー映画です。

日本の学校文化や教育現場は、教師の過重労働問題や、個よりも集団を重んじる傾向にあり個性が伸びづらい点など、悪い点が取り上げられることも多いですよね。

しかし今作は、日本の学校文化の良い点、悪い点、どちらも前提に置きつつ、日本の学校文化の魅力をみずみずしく映し出す素敵な作品でした。

この記事では、映画『小学校~それは小さな社会~』の感想を紹介します!

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映画『小学校~それは小さな社会~』作品情報

桜が満開の4月。新年度は入学式から始まる。授業が始まり、1年生は挙手の仕方や廊下の歩き方、掃除や給食当番など、集団生活の一員としての規律と秩序について初めて学ぶ。そんな1年生の手助けをするのは6年生だ。小さくてまだ何もわからない1年生も、わずか6年の間に自分が何者であるかという自覚を持ち、6年生にふさわしい行動を取るようになる。主人公は学校そのもの。カメラは、1年生と6年生に焦点を絞り、春夏秋冬、彼らの学校生活を追う。

映画『小学校~それは小さな社会~』公式HPより
公開日2024年12月13日
上映時間99分
監督山崎エマ

映画『小学校~それは小さな社会~』で監督を務めたのは、山崎エマさんです。

イギリス人の父と日本人の母を持つ山崎監督は、大阪の公立小学校で学び、その後インターナショナル・スクールを経て、ニューヨークに移ったという経歴の持ち主です。

山崎監督は、ニューヨークで暮らす中で、自身の「強み」がすべて、公立小学校時代に学んだ「責任感」や「勤勉さ」などに由来していることに気づいたといいます。

「6歳児は世界のどこでも同じようだけれど、12歳になる頃には、日本の子どもは“日本人”になっている。すなわちそれは、小学校が鍵になっているのではないか」

この思いが、今作の原点です。

それではここからは、映画『小学校~それは小さな社会~』を観た私の感想をご紹介します!

感想 | そうだ私たちは、このようにして“日本人”になったのだ

十数年前と変わらない日本の学校文化

私は現在27歳で、自分が小学生だった頃なんて、15年以上も前のことです。

十数年の間に、最新の学習デバイス(タブレット)の導入や、教師と子どもの力関係の変化(力でねじ伏せるような教育がなくなっていったり)のなど、教育現場では大きな変化も多くあったものと思います。

特に、映画『小学校~それは小さな社会~』を撮影していたのは2021年4月のコロナ禍であったこともあり、黙食、オンラインでの授業、マスク着用ルールなど、自分が小学生の頃と様相は全く異なっていました。

だけど同時に、学校文化、つまり小学校で教えられる価値観は、15年前からほとんど変わっていないと感じました。

靴は靴箱に揃えて入れましょう、自分たちが使う教室は自分たちで綺麗にしましょう、他人に迷惑をかけないようにしましょう、他人を思いやりましょう、社会の決まりを守りましょう。

「そうだ、私たちは、私は、このようにして“日本人”になったのだ」と気付かされます。

特活という教育文化

学級活動、委員会活動、クラブ活動、学校行事など、通常の授業に加えて行われる活動のことを「特活(特別活動)」と言います。

特活の目的は、協調性や社会性を身につけることであり、特活があることは日本の教育の特徴なのだといいます。

私のように教育という分野に詳しくない人間からすると、学校の役割の一つとして協調性や社会性の育成があることは、世界共通なのだと思っていました。(もちろん、どの国でも学校生活は集団生活になるので、少なからずその要素はあるとは思いますが…)

はな

日本の特活は海外でも高く評価されており、エジプトの小学校では、2017年から日本式の「TOKKATSU」を取り入れているそうです…!

特活によって小学校の中に小さな社会が生まれ、そこでは生徒一人ひとりが役割を持ち、社会のルールに従うことを覚えます。

そして、そんな小さな社会の中で、生徒たちは自分の強みや弱み、個性を見つけていきます。

私が印象的だったのは、放送委員の6年生の男の子です。

放送委員は、朝少し早く登校しないといけなかったり、自分の給食の時間を削って放送をしなければいけなかったり、きっと他の委員会に比べても少し大変ですよね。

でも彼はすごく楽しんで、責任感を持って、真面目に放送委員の仕事をしていました。

そんな彼は縄跳びが苦手で、運動会の練習ではすごく悔しそうな表情を見せていました。

私は最初、彼は縄跳びの練習を諦めてしまうんじゃないかと思いましたが、彼はしっかり家で練習をして、縄跳びを上達させていました!

彼の中には「縄跳びができなくて悔しい」以上に「自分のミスでみんなの足を引っ張らないように、しっかり努力しないと」という想いもあったと思うのです。

そんな彼の真面目さや責任感は、もちろん彼の個性でもありながら、日本の学校教育で育まれた価値観でもあると思います。

教師という仕事

私は今作を観て、単に教科を教えるだけでなく、子どもの価値観を育む役割を果たす教師という仕事の尊さに感銘を受けました。

しかし、その道のプロである教師にとっても、子どもたちに日本人的価値観の本質を伝えることはすごく難しいだろうとも感じました。

日本人的な価値観が裏目に出ると、同調圧力やいじめのような、悪い結果をもたらすこともあります。

例えば今作では、小学1年生であっても、自然に日本人的価値観を受け入れ、当番や掃除、黙食など、真面目にルールに従っていました。

しかし、外にいる生徒を見て「マスクしてないね、よくないね」と言い合ったり、楽譜を覚えていない女の子の前で先生が「なんでみんなは楽譜がなくても演奏できるんだろうね?」と他の子どもたちに質問すると「練習してるからです」と口を揃えて言ったり、少し危うい印象を受ける部分もありました。

私は「社会のルールを守る」「他人に迷惑をかけない」という教えの本質には「みんなが過ごしやすい社会をつくる」という価値観があると思うのです。

そして例えば同調圧力なんかは、日本人的な教えばかりを重視し、大切にしなければいけない価値観の本質を見失った行動であると言えるでしょう。

価値観のキャンパスがまだまだ真っ白な子どもであるからこそ、教師の仕事の責任は重大ですね。

はな

そして、日本の教師はあまりにも業務量が多いです。朝6時出勤の先生(あの先生すごく好きです!!)を見ていて心配になりました。

まとめ | 日本と海外の小学校の比較も観てみたい!

この記事では、2024年12月13日公開の映画『小学校~それは小さな社会~』の感想を紹介しました!

今作は新たな切り口のドキュメンタリー映画で、日本の学校文化について学べる素敵な作品でした。

個人的に、海外の小学校教育についても興味が出てきました。

欲を言えば第二弾で、日本と海外の小学校の比較なんかを観てみたいものです!

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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