画像引用元:映画.com『ロスト・イン・トランスレーション』フォトギャラリーより (C)2003, Focus Features all rights reserved
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こんにちは、はな(@hanahackpq)です。
先日、名古屋のミニシアターで、2004年公開の映画『ロスト・イン・トランスレーション』が上映されていたので観に行ってきました!
この記事では、映画『ロスト・イン・トランスレーション』をネタバレありで語っていきます。
今作を観てなんとも言えない感情になった大人たちと、この記事を通じて感情を共有できると良いな、と思っています。
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映画『ロスト・イン・トランスレーション』作品情報
ハリウッドスターのボブは、ウィスキーのコマーシャル撮影のため来日する。日本人スタッフから歓迎を受けるが、言葉が伝わらない不安、息子の記念日に不在であること責める妻からのFAXが届く。一方、同じホテル写真撮影のために来日したジョンに妻のシャーロットが同行する。新婚にもかかわらず夫が多忙なため、孤独を感じていた。ボブとシャーロットはホテルで何度も顔を合わせるうちに惹かれあってゆく
Filmarks『ロスト・イン・トランスレーション』
監督・脚本 | ソフィア・コッポラ |
キャスト | ビル・マーレイ、スカーレット・ヨハンソン |
公開日 | 2004年04月17日 |
上映時間 | 102分 |
撮影当時、スカーレット・ヨハンソンは撮影当時17歳で、実年齢よりも8歳も上の役を演じていたことになります。
スカーレット・ヨハンソンの、幼さが残りながらも色気の漂う絶妙な雰囲気が、今作のシャーロットというキャラクターをより魅力的に見せていました。
ボブとシャーロットはなぜ最後キスしたのか
「ミッドライフクライシス」に陥り人生に迷うボブと、将来への不安を抱えているシャーロット、二人は異国・日本での孤独を共有し、出会います。
そして、二人は異国での孤独によって浮き彫りになったそれぞれの悩みや、喜怒哀楽のあらゆる感情を理解しあうことで仲を深めていきました。
そうやって互いを知るうちに、ボブもシャーロットも、互いに対し恋愛感情とも、友情ともつかない純粋な好意を抱いていったのでしょう。
しかし、ボブとシャーロットはお互いに結婚していて、パートナーがいます。
そして、二人ともちゃんと大人なんです。
だからこそ、互いが互いの純粋な好意に気付きながらも、二人の間には微妙な距離感がありました。
カラオケでシャーロットがボブの肩に頭をのせたり、同じベッドで寝転がった時にボブがシャーロットの足に手を触れたり、別れ際のエレベーターで、もう少し一緒にいるために一度ボブの降りる階を見送ったり…互いに好意を示しながらも、決定的な行動はしない。
そんな表現がたまらなく可愛くて、たまらなく切なかったです。
では、なぜ最後二人はキスをしたのでしょうか。
私は、二人は自分の生きる現実やそれに続く未来を受け入れ、好きになった相手にはもう会えないことの覚悟ができたからこそ、キスしたのだと思います。
つまり、儚く美しい夢のような時間と共に、「Lost(迷い)」を終わらせ、現実を強く生きる覚悟をしたんですね。
最後ボブはシャーロットに何を伝えた?
今作のラストシーンで、ボブはシャーロットの耳元で何かを囁きます。
ここでボブがシャーロットに伝えた言葉が何だったのか、観客は知ることができません。
だけど、それゆえに、今作は最高なんです。
実際に何を言ったかは分からなくても、ボブとシャーロットの表情からは、確実に、前向きな感情が感じられました。
叶わずとも惹かれあってしまった二人を、別れの瞬間にあんなにも美しい表情にさせる言葉は何だったのかと想像することで、観客は今作を自分のための物語にすることができます。
私は、あの時ボブは、シャーロットのことが好きだということ、もう会えないことは悲しいけど、それでも出会えて本当によかったということ、素敵なあなたの幸せをいつも願っているからね、ということを伝えたのだと感じました。
セリフは最後「OK?」「OK」で終わるから、それに合わせて…とか考えちゃいますが(笑)、このセリフには正解なんてなく、自分が思う言葉がその人にとっての正解という捉え方でよいのだと思います。そういう意味で、ここの解釈には観客それぞれの価値観が大きく反映されますね。
まとめ | 何度も観たい名作でした
映画『ロスト・イン・トランスレーション』は、私にとって愛おしく、大切な作品になりました。
人生の中できっと何度も観て、そのタイミングによって、きっと違った感情になるんだと思います。
余談ですが、なんと、実際に海外で今作が公開された際にも日本語のセリフには字幕がなく、日本語が分からない海外の観客もボブやシャーロットと同じ困惑を感じられる演出となっていたそうです。
ボブとシャーロットにより共感し物語を楽しめるなんて、とっても素敵で羨ましい…!
最後までお読みいただきありがとうございました!
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人生は本当にタイミングの積み重ねで、ある時ふいに、一生心に残るような温かい出会いがあるものですよね。そんなことを感じさせてくれる素敵な作品でした。