【感想】映画『Living Behavior 不可思議/wonderboy 人生の記録』私が今作で複雑な気持ちになった理由

画像引用元:Amazon「Living Behavior 不可思議/wonderboy人生の記録 [DVD]」より

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こんにちは、はな(@hanahackpq)です。

本記事では映画『Living Behavior 不可思議/wonderboy 人生の記録』のレビューを書いていきます。

今作はドキュメンタリー作品でネタバレなどはないため、すでに鑑賞済みの方も未鑑賞の方も、本記事をお読みいただけるとうれしいです~!

はな

不可思議/wonderboyって誰…??ポエトリーリーディングって何…??という方にも、こんな熱いアーティストがいたんだ、ということを知っていただけると嬉しいです。

『Living Behavior 不可思議/wonderboy 人生の記録』はPrime Videoでレンタル配信中

配信情報は2024年1月時点です

『Living Behavior 不可思議/wonderboy 人生の記録』作品情報

独特な言葉のセンスとパフォーマンスで注目を浴びた早世のポエトリーラッパー、不可思議/wonderboyのドキュメンタリー。大学在学中にラップを始めた不可思議/wonderboyは、ポエトリーリーディングに感銘を受け、詩をラップにのせて歌うポエトリーラッパーとしてのスタイルを確立させていく。2009年にYouTubeで発表した楽曲が評判を呼び、11年には日本を代表する詩人・谷川俊太郎とステージ上で共演。谷川の詩をラップにした楽曲「生きる」を披露し、音源化された同楽曲も好評を博す。11年5月には1stアルバムも発表するが、その直後の同年6月、不慮の事故に遭い、24歳でこの世を去ってしまう。そんな不可思議/wonderboyが生前に何を思い、感じ、伝えたかったのかを、未公開映像や関係者インタビューをもとに解き明かしていく。監督は、「Perfume」のミュージックビデオを多数手がけてきた映像ディレクターの関和亮。

映画.com『Living Behavior 不可思議/wonderboy 人生の記録』より
監督関和亮
撮影松居大悟
公開日2015年
上映時間52分

今作では、不可思議/wonderboyと関わりのあった人々のインタビューと、不可思議/wonderboyのライブ映像が交互に流されていきます。

その中で、観音クリエイション、狐火、GOMESS、谷川俊太郎など「おっ」と思わせられる面々が登場します!

むぎ

豪華な面々はもちろんだけど…。撮影は松居大悟さん?!

はな

そう!何の気なしに作品情報を見てたらびっくりした…。松居大悟監督は2017年にMOROHAの音楽を使った『アイスと雨音』という映画を出していたりもするから、熱い音楽が好きなんだろうね。

むぎ

そっか~!僕もMOROHAや不可思議/wonderboyは大好きだから嬉しいな。2013年にはクリープハイプの楽曲をテーマにした『自分の事ばかりで情けなくなるよ』も作っているよね。

はな

そうそう。あれは映画というよりかはミュージックビデオに近かったけど、クリープハイプ好きには堪らなかったね…

『Living Behavior 不可思議/wonderboy 人生の記録』の良かった点・モヤモヤした点

今作の感想ですが、正直かなり複雑な気持ちです。

不可思議/wonderboyの人間性を知れて彼の音楽をより好きになれる、という意味では良作だと感じました。

一方で、彼の追悼をするはずの今作で「彼の残してくれたもの」を濃く描いていることへのモヤモヤを感じています。

良かった点、モヤモヤした点、それぞれ書いていきます。

良かった点:不可思議/wonderboyの人物像を知れる

私が友人から不可思議/wonderboyを教えてもらったのは2年ほど前で、その時すでに不可思議/wonderboyは亡くなっていました。

そのため、私は不可思議/wonderboyがどんな人間だったのか知ることが出来ませんでした。

しかし今作を鑑賞し、不可思議/wonderboyは熱い部分もありながら、純情で、素直で、とっても明るい人だったんだと知り、より彼の音楽を好きになりました。

今作を観れて、本当に良かったです!

モヤモヤした点①:谷川俊太郎さんの言葉

不可思議/wonderboyは、谷川俊太郎さんの「生きる」の詩のポエトリーリーディングをしています。

そして今作の中で、谷川俊太郎さんが不可思議/wonderboyライブ映像を見て「もう死んでいると思うと感動しちゃいますね」と発言する場面があります。

その言葉には、以下のような言葉が続きます。

ウォーコップというイギリスの哲学者は、生きることを「生きる挙動:living behaviour」と「死を回避する挙動:death-avoiding behaviour」の二つに分けています。僕には、現代人の行動のほとんどは死を回避する挙動ばかりに見える。「生きる挙動」というのは内部からわいてくるエネルギーみたいなもので、こっちのほうが大事だと思う。

KOKOCARA「谷川俊太郎さんが「よくできた詩とは思っていない」と言う代表作「生きる」は、なぜ愛され続けるのか?」より引用

つまり、映像の中で必死に「生きることを歌う」=「生きる挙動」をしている不可思議/wonderboyが、実際には若くして亡くなってしまっていることで、彼の「生きる挙動」が観客に与える感動がより大きくなるということを言いたいのだと思います。

谷川俊太郎さんの言いたいことは分かりますが、谷川俊太郎さんの発言にも、発言の意味を分かってしまう自分にもがっかりしました。

モヤモヤした点②:追悼は誰のため?

不可思議/wonderboyを追悼する今作において、彼の死の悲しみを対価として、何か良いものが残されたように表現されることに胸がざわつきました。

死後彼が繋げた人間関係、死後に評価される彼の音楽、そういったものは実際にはもういない彼にとっては無意味であるのに、それがさも「良いこと」のように表現されることは、生きている人間側のエゴであるように思いました。

とは言いながら、今作を通じて彼を知れたと喜ぶ私の気持ちも同じ種類のものだから…と考え始めると感情がぐちゃぐちゃになってます。

いつまでも悲しんでいてもしょうがないということはもちろんですが、追悼って何のためで、誰のためなんでしょうね。

感想:なんだかんだ観れてよかった作品!

いろいろと書きましたが、今作、観れて良かったです!

映画を通じてアーティストの生き様や人物像を知れるというのはとても嬉しいことですね。

この記事を読んで不可思議/wonderboyをより知りたいと思った方は、ぜひU-NEXTで『Living Behavior 不可思議/wonderboy 人生の記録』を観てみてください♪

最後までお読みいただきありがとうございました!

『Living Behavior 不可思議/wonderboy 人生の記録』はPrime Videoでレンタル配信中

配信情報は2024年1月時点です

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本ページの情報は2024年1月時点のものです。
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