【ネタバレ感想】映画『ちょっと思い出しただけ』過去を思い出すことは、今と未来を強く生きること

画像引用元:映画.com『ちょっと思い出しただけ』ギャラリーより

こんにちは、はな(@hanahackpq)です。

この記事では、映画『ちょっと思い出しただけ』の感想をネタバレありでご紹介します!

今作は別れの物語として、映画『花束みたいな恋をした』と比較されがちですが、花束に比べると、よりビターな物語であるように感じました。

『ちょっと思い出しただけ』を観た後は『花束みたいな恋をした』も改めて観かえしたくなりました…!

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映画『ちょっと思い出しただけ』あらすじ・キャスト

照明スタッフの照生と、タクシードライバーの葉。物語はふたりが別れてしまった後から始まり、時が巻き戻されていく。愛し合った日、喧嘩した日、冗談を言い合った日、出会った日・・・コロナ禍より前の世界に戻れないように、誰もが戻れない過去を抱えて生きている。そんな日々を”ちょっと思い出しただけ”。

映画『ちょっと思い出しただけ』公式ホームページより
監督・脚本松居大悟
主演池松壮亮、伊藤沙莉
公開日2022年2月11日
上映時間115分

今作は、出演者がみなさん最高なのですが、特に主演の二人の実在感がとてもとても良かったです。

俳優陣の自然体な演技と、松居大悟監督の自然すぎる脚本で、完全に映画の中に1つの世界が存在している感覚でした。

そして、成田凌を筆頭とした存在感抜群の大物俳優たちが、ちょっとした役で登場することによって、脇役的なキャラクターも単なる脇役ではなく表現されていました。

映画の世界観の作り方としてとても素敵です。

良かった点3つ!邦画のよさがつまった一作

私は、邦画の一番の強みは、日本の文化や流行、日本人の性格や行動を作品に取り入れ、その時代を生きる日本人が楽しめる作品になり得ることだと思っています。

また、その意味で、邦画のウィットに富んだ会話劇はたまらなく好きです。

今作もまさにそんな作品で、私はすごく好きでした。

改めて今作の良かった点を3つにまとめて書いていこうと思います!

1 構成の緻密さ

今作は構成がとても緻密で最高でした。

1年、また1年と遡る構成は特段珍しいわけではなく、なんなら、2021年公開で同じく伊藤沙莉主演の『ボクたちはみんな大人になれなかった』も同じような構成です。

ただ、今作はタイトルが『ちょっと思い出しただけ』ですよね。

思い出す、という行動の表現として、今の時代から1年、また1年と遡って描く構成が、より意味のあるものとなっていたように思います。

そして何より私がキュンとした部分は、亡くなった奥さんを待ち続けるおじさん。

これは完全に私の解釈なのですが、おじさんが「妻が未来から来るんです」と言うシーンで、私は

はな

おじさんはおかしくなっているのかなぁ

と思いました。

ただ、その言葉は、過去で回収されます。

雨の中で奥さんと出会えた後のおじさんの「ようやく会えました」は明らかに「妻が未来から来る」にかかっていたように思います。

つまり、過去のことでも、思い出すことで、今や未来でありうるということ。過去の大切な思い出や大切な人も、単なる過去ではなく、思い出すことで確かに存在しているということです。

過去は、後ろを振り返るようなネガティブなものではなく、今、過去を思い出し、未来に繋げる、とてもポジティブなものとして描かれていて、あぁなんて素敵な映画なんだろうとため息が出ました。

2. リアルな会話劇

今、現実世界のどこかで交わされている会話をそのまま移植したかのようなリアルな会話を中心に物語が進んでいくので、映画の中の世界を本当の現実のように感じさせてくれます。

友人同士でのちょっとしたおふざけや、カップルのじゃれあい、おじさんたちの会話や、地獄のような合コン、その居酒屋で偶然出会った男、すべての会話があるあるで、すべての人間がいるいる。

時々、にやっと笑わせられながら、映画の世界観に引き込まれていきました。

3. クリープハイプの曲

クリープハイプが、とにかく良かったです。

正直、尾崎世界観は少しだけ登場して、曲は最後に流れるくらいかと思っていたのですが、がっつりライブハウスでのシーンもあったので、ファンとしては思わず映画館で歓喜でした。笑

そして、exダーリンのシーン、商店街で歩く二人。

「クリープハイプの曲が流れる商店街かー、いいなぁ」なんて思っていたら、どんどん曲が大きくなっていって、

はな

尾崎世界観が歌ってる~~~!そして、それに合わせて踊る二人が良い!

ともう胸がはちきれそうでした。

主題歌ナイトオンザプラネットは、映画を観にいく前に何度も何度も聴いていきましたが、映画館で聴いたものが一番、最高に良かったです…

まとめ

映画『花束みたいな恋をした』以来、いちばん好きな邦画なので、語りたいことは無限にありますが、きりがないのでこのくらいにします。

過去をちょっと思い出したときに、胸を締め付ける思いすらも糧(かて)にして、今を強く生きることが大切ですね。

本当に本当に素敵な映画でした、ありがとうございました。

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